宗谷本線
美深
- 所在地:中川郡美深町字開運町
- 開業日:1911(明治44)年11月3日開業
- 標高:81m
- 配線:2線(対向式)
- 路程:旭川より98.3キロ,智北より5.0キロ
- 窓口:みどりの窓口あり
- 乗降客数:110人(2016-2020年),978人(1983年)
- 最終乗降日:2021.1.10下車
●南美深→美深の車窓
南美深周辺には水田が開けている。もちろん現在は畑のほうが多いが,戦前には平地のほぼ全域で水稲が作付けされていたという。水田といってもうるち米では競争力がないため,ほとんどもち米である。畑の中を緩やかにカーブを切って,美深市街に入り,美深駅到着。
●美深駅
美深はアイヌ語のピウカ(石原の意)に由来し,駅名も当初「ぴうか」と読まれていたが,1951(昭和26)年に「びふか」に改称された。
美深は人口約4千という規模の割には風格のある市街地を有し,天塩川流域の拠点都市となっている。1950(昭和25)年,北海道拓殖銀行美深支店に強盗が入り6人を殺傷した「拓銀事件」で美深の町の名は全国に知られたが,1997年11月,またも拓銀に関わるところで,美深町に本社を置く天塩川木材工業が拓銀破綻に関連した倒産の第1号となった。天塩川木材の倒産が町に与えた影響は甚大であった。
美深駅は1911(明治44)年の開駅以来,木材,雑穀,馬鈴薯澱粉の集積地として賑わいを見せてきた。市街地の東20kmにある仁宇布を結ぶ仁宇布殖民鉄道は1935(昭和10)年開通。1964(昭和39)年には国鉄美幸線が仁宇布まで開業したものの,1966(昭和41)年には全国1の赤字線にランクされてしまった。美深町長自らが先頭に立って,「日本一の赤字線」を逆手に取った宣伝が繰り広げられたが,枝幸へ全通する夢はかなわず1985(昭和60)年9月に廃線となった。
美幸線廃止後,駅舎は「美深町交通ターミナル」という立派な建物に建て替えられ,2階は「美幸線展示室」となっている。待合室には町の特産品や鉄道グッズを扱う売店が入っている。
●見どころ
□トロッコ王国
美深からオホーツク海岸の枝幸を結ぶ予定だった旧美幸線の終着値・仁宇布にある。駅跡付近の線路がトロッコ王国として復活し,自分でエンジン付き軌道自転車を運転して,森林浴を楽しむことができる。1998年運行開始。美深駅から仁宇布へはデマンドバスの便があり,観光でも利用可能。
□びふか温泉
日帰り入浴可能。道の駅や美深チョウザメ館がある。名士バスの恩根内線で恩根内方面へ14分。美深のバス乗り場は駅前ではなく国道沿いにあるので注意。