4. ニニウ神社
参加者が続々とゴールする。最後に教育委員会のTさんが到着し,25名が無事峠を越えた。道道沿いの峠入り口からここまで要した時間は約4時間30分だった。
14時ちょうど,予定どおりの時刻でニニウワークショップが始まった。バス組8人と合流し,改めて山本さんから説明があった。
ここからニニウ神社までバスに乗る予定だったが,どうせだったら最後まで歩いて行こうということになった。
会田さんから,畑があった場所,家があった場所などを聞きながらニニウの中心部へ向かう。
会田さんの生家に到着。ニニウで唯一現存している農家の建物である。つぶしてしまっては格好が悪いからと,右手の物置はこの冬も2回雪下ろしをしたという。残るべくして残った建物だといえる。しばし,会田さんのお話を聞いた。
畑では雑穀のほか,大豆,小豆を作っていて出荷もしていたという。2代目鬼峠は馬ソリも通ることができて,5〜6俵は積めたが,下りで勢いづいてひっくり返るのを起こすのに苦労したという。
家畜は馬3頭に,豚が1,2頭。豚は正月前にしめてご馳走にした。それにニワトリがいた。山菜は熊が出るのであまり採ることがなかった。嬉しかったことといえば,魚が獲れたことで,サケはもう,うじゃうじゃといたという。
昭和30年前後に役場職員だった方々から,会田さんでご馳走になったそばがおいしかったという話をよく聞く。そばは十割そばで,それはおいしかっただろうが,お客さん用に出したもので,いつも食べられるものではなかったようである。
ニニウは半農半労といって,林業労務が現金収入の過半を占めていたが,山仕事は遠くても家から4kmくらいのところにあり,出稼ぎはなかったそうだ。
むかしの人もニニウに対して,なぜゆえこんな山奥に,と思ったようであるが,そこに住む十分な理由はあったように思われる。
14時半,ニニウ神社へ。社殿は無事だろうか。
この姿を見て,みな声を失っていた。分厚く積もった雪の下で,神社は大きく傾き,かろうじて建っていた。この状態では,次の冬は持ちこせないであろうことは明らかに見えた。
今年で5回目となるニニウ神社の雪下ろし。例年に増して慎重に,倒れないようにおさえながら,そっと雪を下ろしていく。
神社の参拝を終え,今度は雪を踏み固めて土俵作りに入った。
2009年から毎年行われている雪上奉納相撲。男子の部のはじまり。
出場者が6名のため,まずは予選3番が行われた。
勝ち残った3人による優勝決定巴戦。下金山のオリジナル木工房もへじの川辺さんが2連勝し,ストレートで優勝を果たした。
続いて,女子の部。こちらも出場者6名で,じゃんけんにより予選の組み合わせを決める。
占冠のFさんが圧倒的な強さで巴戦を制し,優勝した。
小学校の相撲大会でクラス代表に選ばれたという相撲勘は健在だった。
帰りは,旧参道の急坂を滑って戻る。
15時20分,ニニウワークショップを終え,村のバスでコミュニティプラザに引き返した。
15時40分,コミュニティプラザの前であいさつ。ここで何名かの参加者は帰られた。