新得駅から映画祭の会場まで約9kmあるが,駅からのシャトルバスなどないようなので歩いていくことにした。
新内までは根室本線旧線の跡が狩勝ポッポの道として昨年整備されたのでこちらを歩いてみる。
『昭文社のレジャーガイド』(昭和63年)より
世界3大車窓,日本新八景にも数えられた根室本線の旧狩勝峠(落合〜新得間)は昭和41年10月に現在の根室本線が開通したことにより廃線となったが,新内〜新得間は狩勝実験線として競合脱線などの原因究明のために利用された。実験は昭和54年で終了したが,その後もしばらく道路地図に掲載されていた。
スタートは新得駅から北に1kmほど歩いたSL広場から。このSLは現在の根室本線(石勝線)の車窓からも見ることができる。しばらくは直線で木のトンネルの下を歩く。
線路跡らしく,橋梁や踏切の跡がある。
137キロ標 | 136キロ標 | 135キロ標 |
後で写真のデータを見てわかったが,各標ぴったり10分刻みで撮影されていた(ファイル名が撮影日時になっている)。1km=10分で歩くことには自信を持っていたが,自分でも驚くほどの正確さだった。
ベンチも各所に整備されているが利用者は少なさそう。
SL広場から3.7km,そばの里を通過。経営主体がよくわからないが,近くにはレストランや公園がきれいに整備されていた。
そばの里の看板から約150m北寄りの地点。本線の脇に道床跡があり,きれいに花が咲いていた。
この付近に駅や乗降場があったという記録はないので,実験の際の基地だったのではないかと思われる。
この散策路は北海道十勝支庁の発注により整備されたものだが,SL広場起点約5km地点で工区分けして施工されている。新内寄りの工区に入ったとたん,道が急にきれいになった。施工時期はほぼ同じだから,業者の仕事の差だろうか。
狩勝ホッポの道,メインビューポイントの一つ「無線鉄塔」。実験車両との交信に使用したものだという。
ようやく初めてのカーブにさしかかった。脱線実験の際には恐らくこのカーブあたりが重要な役割を果たしたのだろう。
「北新得駅」の看板。SL広場の地図には無線鉄塔の南300m地点に「北新得乗降場跡」と記されていたが発見できなかった。『停車場変遷大事典 』にも北新得乗降場は載っていないのだが,実在したのだろうか。
カーブを過ぎた先にも何かの施設跡があり,ルビナスがきれいに咲いていた。