再びトナカイバスに乗車。
留萌経由で帰ろうとすると,トナカイバスで留萌まで行くしかないが,帰りはJR宗谷本線を使うことにして,トナカイバスはここで見送る。
ゆめ地創館
ゆめ地創館は,独立行政法人日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターのPR施設として2007年6月にオープンしている。トナカイ観光牧場から展望塔が見えて気になったので,見学してみることにした。
玄関を入るとまず,エスカレーターがあって驚いた。
1階のホール。ここから順路に従って見学する。
まず,バーチャルトランスポーター・VT-500に乗って,地下500mの世界に行く。
トランスボーターの中には,到着までの時間,現在の速度,地上の温湿度,最深部の温湿度が表示されていた。
小窓には相当の早さで降りていく様子が映し出されていた。
約2分を要し,地下500mにあるという展示室に到着。
地下からは,エレベーターで一気に展望室に上がる。塔の高さは50mで,これは立坑の深さの10分の1であること由来する。また,展望室の高さ45mは,幌延の緯度が北緯45度であることにちなむという。
展望室からは研究施設の上屋を一望にすることができた。現在見えているのは東立坑と換気立坑,コンクリートプラント,排水処理施設で,今後新たに西立坑に着手するという。
深地層研究センターとは,核廃棄物を深い地下に処分するための研究をする施設である。現在は,地下500mを目指して,ひたすら立坑を掘り続けているところである。
館内の展示を見ただけでは,いまいち理解が進まなかったのだが,離れで展示されていた実物大の「人工バリア」を見て,ようやく核廃棄物処理の問題が実感として理解されてきた。
人工バリアとは,高レベル放射性廃棄物を分厚いステンレスで囲い込み,それをさらにベントナイト製の緩衝剤で保護することで,少なくとも1000年以上にわたり放射性物質を封じ込めるもので,この状態で深い地下に埋めるのである。
かなり大きなものなので,これがいくつ必要になるのかと尋ねると,出力100万kWの発電所(泊発電所の1号機と2号機を合わせた規模)で年間60本必要になり,今後10年の間に全国で4万本の処分が必要になると聞いて驚いた。
昨今は二酸化炭素排出量削減のためには,原子力発電に頼らざるを得ない状況になっているが,原子力発電を続けるからには,核廃棄物のことは国民みんなが真剣に考えなければならない。その意味で,このPR施設は多くの人に見てもらうべきだと思った。
退館時に,マグネットと絵はがきをもらった。