青い池とは十勝岳の火山砂防工事によって偶然できた池で,ずいぶん前から知る人は知っていたが,近年になって観光化され,容易に訪れることができるようになった。今回初めての訪問である。
美瑛と旭川の間に路線バスが走っていることは物心ついた時から知っていたが,乗車するのは実に今日が初めてである。都合により,西御料駅前の5号バス停から乗車した。
およそ1キロメートルを隔てて丘の上を走っているのは,富良野行きの快速ラベンダー号であろう。
バスはそれなりに乗客があった。旭川駅〜美瑛駅間の所要時間は,空港経由の快速ラベンダー号と道北バスの白金線でまったく同じとなっている。
いまやバス停のみに名前を残す美瑛坂。
美瑛で乗客のかなりが入れ替わり,駅前のバス停からは東洋系の外国人観光客が乗車してきた。
美瑛市街ではすぐに道道に戻らず,役場前,町立病院前などとこまめにバス停に停車していき,それぞれのバス停から地元の乗客があった。これから温泉に行くのだろうか。
原野6線というバス停。原野とは美瑛原野の略だろうが,いかにも北海道らしい響きだ。
北海道シベリアタイガーパーク跡通過。年々朽ちていくが,通りかかるとどうしても気になってしまう。もう25年以上前に一度だけ入園したことがある。そのときは,祖父の末の妹にあたる大叔母夫婦の車に乗って園内を巡回した記憶があるが,その大叔父は今年の6月に亡くなった。そういう思い出の場所がなくなっていくのは寂しいものがある。
白金青い池入口に到着。
バス停は昨年新設されたもの。バスには地元の人たちもたくさん乗っていたので,こんなところで降りるのは恥ずかしいと思っていたが,何と10人くらいの観光客がここで下車した。
広々とした駐車場が整備され観光バスも来ていた。
遊歩道も人だかりで,知床五湖並みの賑わいである。
5分程で池が見えてきた。この数日来の大雨で,本来の鮮やかさではないと思われるが,たしかに青い。
池の周りにはこのような人がぎりぎりすれ違えるくらいの歩道が整備されていた。
植林されたカラマツが水に浸かって枯死している。それが独特の幽玄な雰囲気を作り出している。池も北東と北西の2面はコンクリートの堰堤に囲まれていて,まったくの人工的景観であるが,何が観光地としてヒットするかわからないものである。
池のほとりの遊歩道をたどっていくと,美瑛川の河畔に行き着いた。
火山砂防工事が今日も続けられていた。