北海観光節小さな旅行記音威子府駅開駅100周年

音威子府駅開駅100周年 その1

2012年10月14日(日)

今日10月14日は,新橋〜横浜間に日本最初の鉄道が開通したことを記念した鉄道の日である。今年はちょうど開通140周年にあたる。北海道では手宮〜幌内間の幌内鉄道が全通して130周年であり,沿線では様々な記念のイベントが行われている。

近場では音威子府駅と咲来駅が開駅100周年を迎えるそうで,記念行事が行われるという。セレモニーは8時50分からと朝早く,札幌方面から鉄道ファンが訪れるのにはなかなかハードルが高そうである。しかし,旭川からなら始発の普通列車に乗れば,音威子府に8時52分に着くので何とか間に合いそうである。旭川に住んでいるからには,これは行かなければならないと思って,早起きして出かけてみることにした。

旭川6:05発→音威子府8:52着 宗谷本線 稚内行き普通列車

 

この列車は途中2回列車番号が変わるものの,稚内に直通し,旭川駅の電光掲示板では稚内行きと案内されている。稚内まで5時間48分をかけて宗谷本線を完走する国内有数の長距離鈍行列車である。

鈍行列車とて,稚内には札幌始発のスーパー宗谷1号よりも早く着くため,意外と実用的に利用されている。特に,昨シーズンの冬は岩見沢方面の大雪でスーパー宗谷が運休になることが多く,この列車が命綱になることが多々あった。私も,今年の2月,大雪の日に稚内で講習会があって,この列車に助けられた。

今日の切符は,道北一日散歩きっぷである。音威子府まで片道2730円だが,この切符なら2200円で往復できるので,かなりお得感がある。

最低気温が10度を下回り,車内も一重窓では寒い季節になってきた。旭川から乗ってきた青年は,固定式のリクライニングシートを回そうとしてあきらめ,今度は内窓を下ろそうとして悪戦苦闘した挙句,やはりあきらめて慰めに遮光カーテンを下ろしていた。実によく見られる光景である。

車内には,もしかしたら私と目的地が同じではないかと思われる乗客も何人かいた。

蘭留付近にて。例年であれば平地にも紅葉が下りてきてよいころだが,今年はまだ全然色づいていない。

名寄から宗谷北線に入って1駅目,日進駅はいまだ花がきれいに咲いていた。まめに手入れをしている人がいるのだろう。

旭川を発って,既に3時間近く。いよいよ音威子府駅の構内に入る。

ホームは予想以上の人出で賑わっていた。

下車すると,ちょうど音威子府駅長が挨拶をしているところだった。

来賓には村長,村議会議長,商工会会長,駐在所所長,各学校校長,郵便局副局長,信金支店長,農協課長と,村役の方々が勢ぞろい。

来賓を代表して,佐近村長が挨拶。音威子府村もいまや人口900を切っている。

お話の中で,来年音威子府小学校が100周年を迎えるとあった。小学校より駅が先にできたわけで,まさに鉄道とともに歩んできた村である。

この後,9時05分に札幌行きのスーパー宗谷2号が到着し,音威子府小学校の6年生2人により出発合図が行われる。2人は駅長から「こども駅長」の委任状が渡された。

記念撮影。

1番線は旭川行き普通列車,2番線には稚内行き普通列車が待ち合わせをしており,スーパー宗谷が到着すれば3列車揃い踏みとなる。

音威子府から先,現在は幌延廻りで線路が延びているが,最初に開通したのは浜頓別廻りで,さらに10年かけて稚内まで延伸した。

スーパー宗谷が到着。

こども駅長の2人による出発合図で列車は発車し,車掌さんとあいさつを交わしていた。

2人にはお土産が渡された。

続いて駅長から100周年の記念プレートとレール型の文鎮が披露された。

レール型の文鎮が村長に渡された。

 

以上で記念セレモニーは終了。参加者には記念のタオルが配布された。

 

跨線橋ではねっぷ鉄フェス2012開催記念「北海道で1番小さな村の小さな写真展@おといねっぷ」が開催されていた。

跨線橋の骨組みに使用されているレールの諸元も,梁1本ごとに説明が貼られていた。古いものでは1898年製というものもあった。

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