北海観光節小さな旅行記新田中わっか祭とノロッコ初日

新田中わっか祭とノロッコ初日 その3

体育館の一角にはパンの販売があった。まんまるや,まどろみ酵房,アイムという,中富良野,富良野で個性的なパンを販売している3つのお店で,食べながら映画を見てもいいですよとのことだった。

10時30分から最初の映画の上映開始。

冒頭,主催の方から「わっか祭」の趣旨説明があった。

東日本大震災から1年目の昨年3月11日,楽しく未来につながることをしたいと,地域のお母さん方9名で始めたイベントとのことである。

今回は第2回目で「ほのぼの,自分の暮らす町から幸せに」をテーマに,映画の上映や,ワークショップ,ライブ,フリーマーケットが企画されている。

子供たちのためにやっていることなので,映画は子供と一緒に見ても良いし,そのために真っ暗にはしないとのことだった。

今日,新田中を訪ねた第一の目的は,「幸せの経済学」を見ることだった。最近は機材が発達して,誰でも気軽に上映会を開けるようになった。それで,各地で自主上映会が活発に行われているが,このところは「幸せの経済学」が話題になっているようである。

内容は,グローバリゼーションの問題点とローカリゼーションの魅力をひたすら説いていくものだった。

上映が終わった後,車座になって,何人かから感想を聞いた。自分でエコビレッジを主宰しているとか,映画の舞台になっているラダックに何度も行ったとか,すごい人が参加していた。しかしそんな参加者であれば,恐らく映画の内容は,それほど新鮮なものではなかったと思う。

いまは一歩進んで,本当に大事なことは何なのかを問うときに来ているように思う。できることから取り組むのもいいが,その陰で,それができなかったら絶対に人間が生き延びることができないという何かが置き去りにされてはいないだろうか。そこに一度正面から向き合ってみたいと思っている。

映画に関連した話題提供として,12時から,富良野市にある三素の家次さんから「私たちの暮らしとエネルギー」と題してお話があった。家庭で自然エネルギーを使うということに関しては,道内でも第一人者の方である。

12時20分,1つ目のプログラムが終了。12時30分から次の上映が迫っているので,意外と時間がない。パンの販売コーナーはたくさんのお客さんで賑わっていた。

葛西国男さんの作品展示。このあと15時から,中富良野在住のしめ縄名人,葛西国男さんによるワークショップが行われる。

  

廊下や旧職員室では,フリーマーケットや,当麻かたるべの森の手づくり品販売,カイロプラクテックなどもあった。

外では,家次さんがソーラークッカーや,独立型の太陽光発電システム「べらんだ1号」,ペレットグリルヒーター「きりんさん」の実演展示をしていた。

天気が良かったので,ソーラークッカーでポットのお湯が沸いていた。廃品のパラボラアンテナにアルミテープを張っただけで,これはいいなと思った。太陽光で発電した電気は,ラジオのスピーカを鳴らしていた。

考えてみると,電力会社から電気を買わずに暮らすのは案外簡単なことではないだろうか。どうしても電気が必要なのは,パソコンと携帯電話,洗濯機と最低限の照明くらいだから,これは少々の太陽光発電パネルとバッテリーがあれば足りそうだ。変わった人ではなくて,そういう暮らしを普通に実践する人たちが,世の中の数%でも出てくれば,おもしろいことになると思う。


残念だが,この後の予定もあるので,ここでわっか祭の会場を引き上げることにした。

新田中から富良野盆地に出るには,車だと南北どちらかに大きく迂回しなければならないが,徒歩なので学校跡からまっすぐ北18号道路に抜けてみることにした。

丸裸になった山の斜面を登っていく。

新田中集落を一望する。学校は集落の中心部に位置するものの,もともと店もなく市街はなしていない。中富良野町の西部にある,鈴和,渋毛牛,鹿討,吉井,奈江といった集落も同じで,集落の中心に小市街を有する西中や旭中とは対照的である。

丘を登った先は,眺めの良い麦畑だった。

北18号道路に入って,新緑の林の中を抜けて行く。

富良野リゾートオリカ ゴルフ倶楽部。バブルの時代,上富良野から中富良野にかけてのこの一帯に,いくつものゴルフ場ができる計画があった。結局できたのはこのオリカリゾートだけで,あとはバブルとともに消えていった。

見通しの良さでは,パノラマロード江花に匹敵する北18号道路。この先に,西中小学校と,東中小学校がある。

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