上り1日1本稚内〜旭川間を完走する普通列車。来月のダイヤ改正で,稚内〜音威子府間が廃止されることが発表されている。
名寄駅に近づき,天文字焼きが間近に見えた。この雨の中で火をつけるのは大変だったのではないか。
今日初めて北の天文字焼きを見る。実はあえてこれまで見なかったということもあった。
天文字焼きは,我が上富良野の「北の大文字」より1年後の1989年に始まっている。しかしながら,天文字焼きのほうが北の星座共和国にちなむというテーマ性があったためか,一般に紹介されることは天文字焼きのほうが圧倒的に多かったのである。ただその後,「北の大文字」が1999年元旦のNHK「ゆく年くる年」で生中継されたことで,個人的に対抗意識は薄れたのであるが,そうこうしているうちに2012年に北の天文字焼きは中止になった。
2014年に市民運動により,北の天文字焼きが3年ぶりに復活,今年は復活3年目である。
名寄駅の跨線橋から天文字を見る。良い展望スポットだと思うが,他に誰も見る人はいなかった。
18時半からの1回目の花火も独り占め。
北の天文字焼きは見物の会場として第1会場の西條名寄店屋上と第2会場の名寄東小学校校庭の2つの会場が設けられている。また,会場間を移動して花火を見ることができるよう,18時半,19時,19時半の3回花火が打ち上げられることになっている。
まずは,19時の花火に間に合うよう,駅裏の名寄東小学校に向かう。
第16回スノーランタンフェスティバルが行われていた。
校庭には無数のランタンが並べられていた。雨の中,ぼろぼろになりながら火がともっているのは,むしろ幻想的だった。
校庭にひと気がないと思ったら,天文字焼きコンサートが行われていた。いままさに,天文字焼きが行われており,これから花火が上がるというのにコンサートは終わる気配がない。これはいったいどういうことなのだろうか。
19時。やや霞んでしまったが,花火が上がった。校庭にいたのはわずかに数人。雨降りにしても寂しすぎないか。
続いて道内最大級のアーケード街を歩き,「見る集い」が行われている第1会場の西條名寄店へ向かう。
西條名寄店。名寄,士別,稚内方面に大型スーパーを展開する西條の本店格店舗である。西條百貨店とも呼ばれる地域の老舗であり,2008年のイオン進出後もまちなかでの営業を継続している。
イベントをやっている雰囲気がなく,不安になりつつ階段を上って屋上に出ると,ちょうど19時半の花火が打ち上がったところだった。
写真を撮っていると,声を掛けられた。高校の同期だった。同期会の幹事でもある彼は,このイベントの運営でもボランティアで要職を担っているようだった。高校のときにはわからなかったのだが,どこまでも献身的である姿勢にはほんとうに頭の下がる思いで,見習わなければならないと思う。
「北の天文字」という歌のCDがあったので1枚求めておいた。何でも,今日初めて売れたそうで,大変驚かれ,いろいろ景品を付けてくれた。19時からは本人のコンサートもあったそうなのに気の毒なことだ。
食事はすべて食券制なので,1枚購入した。
雨の中,人の出足は結構良かったようで,多くの店がすでに売り切れていた。
とりあえず豚汁を頼んだ。
そういえば,「見る集い」と言うからには,天文字はどこに見えるのかと探すと,遠くの山に消えかかって小さく見えた。この会場はたぶん花より団子という感じだ。まちなかの西條を盛り立てていきたいという気持ちもよくわかるところだが,室内でコンサートをやっていた東小にしても,火文字が間近な大文字と比べると,天文字が主役になっていないことは少し寂しいように思った。