網走観光交通の立派なバスで運行されていた,ひがし北海道エクスプレスバス。
乗り込むと先ほどの黒い背広の運転手さんが,「こちらはみんな上海からのお客さん,いちばん後ろの2人が日本人ね」と言って,新顔の私を紹介してくれた。
網走から12名で発車し,ガリンコステーションで3名が降車したそうで,新たに私が乗車し,10名で層雲峡へ向かう。
いちど乗ってみたかった「ひがし北海道エクスプレスバス」。冬期間,道東の観光地を縦横無尽に走っており,特にこの「阿寒/網走・紋別/層雲峡3号」は,阿寒湖温泉から摩周湖,硫黄山,おーろらターミナル(網走),サロマ湖鶴雅リゾート,紋別を経由して層雲峡へ向かうという,怪奇なルートをたどる。
ただし,「下記宿泊施設ご宿泊のお客様のご利用となります」という,日本語になっていないような但し書きが案内書によって書いてあったりなかったりで,いまいちすっきりしない。ためしに,「下記宿泊施設」には該当しない宿の名を告げて申し込んだところ,まったく問題なく予約することができた。
バスは,紋別市街を短絡し,道道中渚滑紋別停車場線で国道273号中渚滑に出た。
駅前通りが残る上渚滑市街を通過。
「滝上町おみやげマルシェ」で購入した品物。
こちらは海洋交流館の売店で購入した興部町ノースプレインファームのヨーグルト。いつも旭川西武で購入しているので珍しくはないが,ストローをテープで貼り付けてカプリソーネ風にしているのが斬新だった。
童話村・滝上町に入った。
道の駅・香りの里たきのうえ。観光バスの立ち寄りでそれなりに賑わっている模様。
滝上市街地の真ん中で,鹿がバスの前を横切った。町の真ん中を鹿が行き来しているとは,北海道でもそんなにないことだろう。
インターネット上ではまったく話題になっていないが,滝上町では最近,食堂が新たにいくつもでき,にわかに活況を呈しているという。今度時間を作って巡ってみたい。
滝上市街を過ぎて7分ほどで,白鳥小学校跡を通過。3年前に学校は閉校になったが,盆踊りはまだ続いているとも聞く。
滝西の佐藤商店は健在。
白黒の景色の中に,廃屋が点々と続く。
滝西から12分で滝奥の山田商店跡を通過。かつては路線バスがここまで乗り入れていたはずだが,いまは無住地となっている。
紋別から渚滑川沿いをひたすら遡ること1時間20分,オホーツク海と日本海の分水嶺を穿つ,浮島トンネルに入る。
トンネルを出ると間もなく,浮島I.C.より旭川・紋別自動車道に入った。道内の高規格幹線道路としては最高所を走行する区間であり,進路を導く鮮やかな電光が印象的である。
バスは上川層雲峡I.C.の出口にある休憩施設で5分間の小休止を取った。
紋別から遅れはさらに10分拡大し,30分遅れの17時50分,層雲峡観光ホテルに到着した。
ほかの9人のお客さんは,全員ホテル大雪まで行くとのことで,ここでは私1人のみ降車した。当然,宿の人が出迎えてくれるわけだが,今度いつか利用させてもらうことにして,今日は氷瀑まつりの会場へ急ぐ。