ちほく高原鉄道ふるさと銀河線

(廃止)分線 ぶんせん 無人駅
足寄郡陸別町字陸別原野分線
昭和33年9月10日開業
標高237m  0人
単線
池田より83.1キロ
陸別より5.7キロ
2002.3.17下車

●陸別→分線の車窓

北海道ちほく高原鉄道株式会社・ふるさと銀河線。どうしてこのような名前がついたのか私は知らない。「ちほく」は池北であり,両端の池田,北見の頭文字をとったものである。「高原」は高原を走っているというイメージであろうか。しかし,最も高い国境部分でも標高400mに足らない。その中でも高原らしいのは陸別から置戸までの区間であろうか。「ふるさと」は地域に密着したというような意味であろう。「銀河」は星空が美しいことによるのだと思う。山奥で空気の澄んだ陸別は「星空の街」や「星空にやさしい街10選」に選定されている。星空が美しいのもまた,陸別から置戸までの区間である。
このような意味で,ここから置戸までの間が銀河線の真髄であるといってよいと思う。国境までまだ20kmほど利別川の谷を遡る。乗客は陸別から北見に通う高校生がわずかにあるだけで,昼間の列車には旅の人しか乗っていない。
途中の駅も乗降客のあることのほうが珍しい。分線駅で降りようとしたときも「降りますか」と聞かれ,「降ります」と告げると運転士さんのほうが動揺して運賃を間違っていた。

●分線駅

利別川右岸の基線に対する分線だというが,いまその区画は明確でない。川沿いのわずかな平地が開拓され,ハッカ栽培が試みられたこともあるが,現在は酪農地帯となっている。
駅の利用者はほとんどいないと思われるが,待合室の中に自転車があった。ここからどこかに通っている人がいるのだろうか。こんな駅でも板張りのきれいな待合室があって,中には旅人の足跡も見える。変な言い方だが,私はこの駅周辺の風景に北海道らしくないものを感じる。例えば,岩手の山田線か北上線を旅しているような感覚に陥ってしまう。岩手というところは北海道が失ってしまった山村の風景を残しているところだから,岩手のように映るということは,ここがそのような山村の風景を残しているということである。何度も降りてみたくなる駅だ。

●見どころ

特になし

陸別 北海道駅前観光案内所 川上