ちほく高原鉄道ふるさと銀河線

時刻表でたどる網走本線・池北線・ふるさと銀河線の歴史

(5)決戦ダイヤ

「北海道樺太旅行案内 昭和19年1月号」(北海道旅行案内社)


昭和12年頃から徐々に戦時色が強まり,時刻表からも観光案内や欄外の路線案内が消えた。軍需輸送を優先するため,不要不急の旅行の自粛が呼びかけられるようになり,昭和17年をピークに列車本数が削減されて,ダイヤの「改悪」が繰り返されていった。

そんな中でも網走本線のダイヤには大きな変化がなく,昭和19年に至っても見かけ上は開戦前の運行体制が維持されている。ただしこの時点で,北見を境に網走本線の列車の運行系統が分離している。昭和17年9月26日に24時間制が制定され,時刻表も24時間表記に変わっている。

上野〜陸別 所要 47時間11分
上野20:00発
青森16:27着
東北本線107列車 昭和19年に入ると決戦ダイヤと銘打った改正が行われ,食堂車と一等車が姿を消した。
左記は,昭和20年1月25日改正の時刻である。急行列車も削減され,東北から急行列車が消えたため,所要時間が大幅に延びている。
そして何よりこのころには徹底した乗車制限が行われており,一般旅行者が長距離の旅行をすることはほぼ不可能であった。連絡船の時刻が記載されていないのは,敵軍の潜水艦による襲撃を恐れてのことである。
全国版の時刻表はこの号が敗戦前に発行された最終号となった。昭和20年7月14日から15日にかけて北海道は艦載機による空襲をうけ,青函連絡船は全滅,網走本線沿線でも本別で死者40名を出すに至り,8月15日ついに終戦を迎えた。
青森発
函館着
連絡船7便
時刻不明
函館23:25発
池田16:41着
407列車根室行き
池田17:00発
淕別(19:11)着
627列車北見行き


(6)占領下ダイヤ