根室本線
芦別
- 所在地:芦別市本町
- 開業日:1913(大正2)年11月10日開業
- 標高:95m
- 配線:2面2線
- 路程:滝川より26.6キロ,平岸より5.9キロ
- 窓口: 簡易委託駅
- 乗降客数:246人(2014-2018年),938人(1983年)
- 最終乗降日:2005.1.3下車
●平岸→芦別の車窓
引き続き国道沿いを走り,空知川が寄り添うところではなかなか良い眺めが得られる。そこを過ぎると左窓前方に北海道大観音が見えてくる。高さ88mもある芦別の名物だ。
川から離れかかったところに高根信号場(1982(昭和57)年10月廃止)があった。ここから,函館本線納内を結ぶ芦別線が分岐する予定だった。芦別線は留萌港に石炭を運ぶ構想のもと,1964(昭和39)年に着工,1969(昭和44)年石狩新城までの工事をほぼ終えた時点で工事が中止され,結局列車が走ることのなかった「未成線」である。車窓からも空知川堤防までの線路跡を確認できる。空知川鉄橋も途中まで橋げたが架かった状態で後年まで残っていたが,1991年10月までに撤去された。
●芦別駅
1946(昭和21)年,下芦別から芦別に改称。1913(大正2)年開駅と同時に周辺の炭鉱開発が始まり,空知川より北側の油谷(現在の芦別温泉があるところ),旭町などで採炭が始まった。戦時中三井が西芦別,頼城方面の炭鉱を開発し,1949(昭和24)年には芦別駅から頼城駅までの三井芦別鉄道が敷設された。人口は最盛期の1958(昭和33)年に75,000を数えたが,同年以降炭鉱閉山が相次ぎ,最後の三井芦別炭鉱も1992年に閉山した。
石炭産業の衰退を受けて観光に力を入れてからも久しくなる。1970(昭和45)年にオープンした芦別レジャーランドは道内のテーマパークの先駆けである(1988(昭和63)年北の京芦別と改称したのち2008年経営破たん)。札幌~芦別間には快速「北の都芦別号」などの臨時列車も一時設定されていた。
ホームは3線分あるが,3番線は三井芦別鉄道の列車が発着していたホームで,線路がはがされている。8本あった貨物線の跡は,広大な草地になっている。
赤平駅と同様,2016年3月をもってみどりの窓口が廃され,簡易委託駅となっている。
●見どころ
□道の駅スタープラザ芦別
徒歩15分。お土産充実。レストランは郷土料理のガタタンが名物。
□星の降る里百年記念館
道の駅の隣にある魅力的な郷土博物館。炭鉱の紹介,崕山の展示など充実している。
□北の京芦別(閉鎖)
もとの芦別レジャーランド。1988(昭和63)年北の京芦別と改称したのち2008年経営破たん,その後も経営主体が変わって営業が継続されたが,2013年夏が最後の営業となった。ホテル五重塔,十二支苑,ギリシャ神殿大浴場などの施設群はいまもそのまま残る。
□旭ヶ丘公園
駅から約1.5km。小動物園あり。
□中央バス芦別ターミナル(廃止,解体)
駅から少し離れた国道沿いにあった。駅よりも賑わっていたが,2008年廃止。アシントンホテル1階に待合所が移ったあと,2019年12月からすべてのバス路線が芦別駅前に乗り入れるようになった。
□芦別温泉
駅前からバスの便あり。芦別五山の一つである油谷芦別炭鉱の跡地で,1969(昭和44)年の閉山後,旧油谷小学校の校舎を活用して1972(昭和47)年オープンした。翌1973(同48)年,北海道唯一の環境庁指定国民保険温泉地に指定,1979(昭和54)年国民宿舎,1989年スターライトホテルが開業している。ひっそりとした雰囲気がよい。
□カナディアンワールド公園
芦別温泉から国道452号を北に約2km。カナディアンワールドは,19世紀のカナダと「赤毛のアン」の世界を再現したテーマパークとして,1990年に開業。経営不振により1997年を持って有料のテーマパークとしての営業を終え,以後は無料の市民公園として開放されている。施設群では2020年現在もいくつかのテナントが営業している。