根室本線
金山
- 所在地:空知郡南富良野町字金山
- 開業日:1900(明治33)年12月2日開業
- 標高:285m
- 配線:2面2線(対向式)
- 路程:滝川より81.6キロ,下金山より6.9キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:9人(2013-2017年),210人(1983年)
- 最終乗降日:2015.12.5下車
●下金山→金山の車窓
右手の車窓には昔話に出てきそうな農村風景が続く。やがて水田が途絶えると,空知川は峡谷と化す。いまは難なく橋を架けて通過するが,かつては難所で,道路は遥かに高台を経て金山に至っていた。
この峡谷を境に,狩猟,砂金掘,杣夫といった山村の文化が色濃く残る地域に入っていく。これまでの稲作のある地帯から見ると,まったくの異世界だ。
紅葉の名所・十梨別渓谷から流れてきたトナシベツ川渡るとまもなく金山である。トナシベツの上流は夕張岳で,森林鉄道があった時代には,夕張岳の登山者も森林鉄道を利用した。
●金山駅
十勝線の駅として1900(明治33)年開設。当時駅勢圏として,占冠,右左府,千呂露までを含み,開拓前線を胆振,日高の奥地へと進めた。
金山の名は, 明治期に砂金でゴールドラッシュに沸いたことに由来する。造材も古くから盛んで,1907(明治40)年に富士製紙が工場を設置したことにより,金山は沿線で最も活気のある街となった。金山の工場では空知川上流から流送で運ばれてきた木材を原料にパルプを生産し,江別の製紙工場に供給していた。1930(昭和5)年にはトナシベツ川沿いに9kmの森林鉄道が敷かれて造材が盛んになり,1947(昭和22)年金山営林署が開設された。
1981(昭和56)年の石勝線開業以前は当時一大山村だった占冠,より古くは日高への玄関口となり,1923(大正12)年には2つの国境を越えて金山-占冠-日高を結ぶ三国横断バスの運行が始まっている。その頃金山は宿場町として駅前旅館が軒を連ねていた。1970年代に入り金山峠に新道ができると,占冠から富良野に直通するバスが運行され,金山駅は通過点となったが,駅だけは時間が止まったように当時の面影を残している。
●見どころ
かなやま湖へは南富良野町営バス,占冠へは占冠村営バスの便がある。