根室本線

上落合 ( かみおちあい ) 信号場

  • 開業日:1966(昭和41)年9月30日開業
  • 標高:448m
  • 配線:2線
  • 路程:滝川より112.2キロ,落合より4.0キロ

●落合→上落合(信)の車窓

落合駅構内を通過するころ,左にカーブしていく線路が見える。これが日本新八景にも選ばれた狩勝峠旧線の名残である。この線路は1966(昭和41)年9月30日に現在の線路に切り替えられた。

落合の名は川が落ち合うことに由来し,滝川から車窓に寄り添ってきた空知川は,ここで南北2つの川に分かれる。新線はルウオマンソラプチ川に沿って国境のトンネルを目指す。ルウオマンソラプチ川の流域は,2016年8月の大雨で最も大きな被害を生じた地域である。

途中で何度か立体交差する道路は,トマムに向かう道道で,近年道東自動車道トマムIC経由で旭川方面と帯広方面を行き来する自動車の利用が増えた。もともと,十勝への陸路としてはこのルートが古く,現在の狩勝峠が開削されるまでは,現在信号場として名を残す串内から広内に越すのが十勝街道で,途中串内とパンケシントクに駅逓が置かれていた。

12パーミル勾配で徐々に高度を上げ,5つのトンネルを抜けると,右の林間から石勝線が寄り沿ってきて,新狩勝トンネルに潜る。トンネルの中で石勝線と合流して上落合信号場通過する。

なお,列車代行バスは落合から国道38号線で新得に向かう。峠の手前まで,車窓左手の谷底に旧線跡が沿っており,気を付けていればスイッチバックの狩勝信号場跡や狩勝隧道の入り口が見える。

落合駅から左に分かれる旧線跡
2016年8月の水害の後,ルウオマンソラプチ川の橋梁には1年以上にわたり流木がかぶさったままになっていた。

●上落合信号場

ここがほぼ根室本線の最高所になる。旧線の最高所は標高535mだったから,少し低くなっている。

信号場とは旅客は扱わず列車の行き違いや待避を行う設備である。人家がないようなところにあることが多く,鉄道独特の旅情を感じる。特に上落合信号場の場合,真っ暗なトンネルの中にあるから,それと知らない乗客は事故でもあったのかと驚く。石勝線の鬼峠信号場が廃止されたので,現在道内ではここが唯一のトンネル内の信号場だ。

トンネル内にホームを設けて根室本線と石勝線との相互乗換えを図る構想もあったようだが実現はしなかった。結局,根室本線から石勝線に乗り換えるには上落合-新得間24.1kmを往復しなければならないことになった。

信号場から上り方面を見る。左が石勝線,右が根室本線とトンネルが2股に分かれる。
『占冠村史』(1963.11)より

●見どころ

下車できない。

▲落合
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