留萌本線
恵比島
- 住所:雨竜郡沼田町恵比島
- 開業日:1910(明治43)年11月23日開業
- 標高:77m
- 配線:単線駅
- 路程:深川より20.7キロ 真布より2.9キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:4人(2014-2018年平均),116人(1983年)
- 最終乗降日:2000.8.8下車
●真布→恵比島の車窓
真布を出るとすぐに幌新太刀別川を渡る。この上流にかつて3つの炭鉱(昭和炭鉱,浅野雨竜炭鉱,九州鉱山太刀別鉱業所)があり,全盛期の1955(昭和30)年頃にはいまの沼田町の人口の何倍もの人が住んでいたが,1969(昭和44)年までにすべて閉山した。また,幌新太刀別川流域は世界的に貴重な化石発掘エリアとしても知られ,「進化の実験室」と呼ばれている。
まだ山奥という感じではないが,水田は少なくなる。
●恵比島駅
もとは雨竜炭田3鉱の石炭を運搬した留萌鉄道の分岐駅で,石狩沼田と並ぶ急行停車駅だった。留萌鉄道は1930(昭和5)年昭和鉱業所までの17.6kmの区間に敷設され,国鉄線へも旅客列車の乗り入れを行ったが,1971(昭和46)年6月1日廃止。
恵比島駅前には雨竜炭田の玄関口としてそれなりの市街地があったが,寂れる一方で,駅舎も1986(昭和61)年に貨車駅に置き換えられた。しかし,1999年にNHK連続テレビ小説「すずらん」,2000年には映画「すずらん」のロケ地となり,一時賑わいを取り戻した。ドラマや映画の中では「明日萌駅」として登場し,ロケセットとして建てられた明日萌駅舎やもともとあった駅前旅館(ドラマでは中村旅館)などが保存されている。SLすずらん号(1999年から2006年まで運行)は恵比島駅で長時間停車し,多くの観光客で賑わった。本来の駅舎である貨車は板で覆われ,目立たないようになっている。
●見どころ
1999年夏以来,駅周辺が観光地化しお土産屋が建ち並んでいたが,ひっそりとした雰囲気に戻りつつある。
□ほろしん温泉
幌新太刀別川沿いに駅から6km,もと炭鉱があった幌新太刀別川沿いにある。駅前から町営バスの便がある。入浴,宿泊可能のほたる館のほか,沼田町化石館,SLクラウス15号の展示がある。クラウス15号は1889(明治22)年ドイツ製で,晩年は明治鉱業昭和鉱業所が使用していたもの。現存する小型蒸気機関車では日本最古だという。