宗谷本線
永山
- 所在地:旭川市永山1条19丁目
- 開業日:1898(明治31)年8月12日開業
- 標高:134m
- 配線:2面2線(対向式)
- 路程:旭川より9.3キロ, 新旭川より5.6キロ
- 窓口:みどりの窓口あり
- 乗降客数:845人(2013-2017年),2,202人(1983年)
- 最終乗降日:2020.12.26下車
●新旭川→永山の車窓
新旭川を出ると石北本線が右にぐいとカーブを切って分かれていき,宗谷本線は単線となって北へ向かう。宗谷本線の名寄までの区間は,2000年3月の特急スーパー宗谷運行開始に伴い,130km/h運転対応に線路が改良されており,乗り心地は至って滑らかだ。
やがて左手に北旭川貨物駅が見えてくる。本州直通の貨物列車も発着し,北海道内陸部の物流の拠点となっている。貨物駅周辺は流通団地と称される地区で,卸売市場や倉庫が建ち並んでいる。宗谷本線にも貨物列車が運行されていたが,北旭川-名寄間は1996年9月にトラック代行輸送となった。
右手には旭川駅の高架化に伴い2003年に移転してきた旭川運転所があり,電車の留置のため宗谷本線はここまで電化されている。なお,乗務員交代のため運転停車を行うことがある。
北旭川貨物駅の外れには西永山駅があったが,1967(昭和42)年に廃止された。
永山駅では閉塞方式が変更となるため,下り列車は特急列車を含めて停車が必要となる。
●永山駅
札沼線の篠路駅と似た趣を感じる駅で,宗谷本線で最も古い歴史を持つ駅でもある。永山村は1890(明治23)年に置かれ,士族に限らないいわゆる平民屯田が最初に入ったところ。永山の名は屯田本部長永山武四郎に由来する。1904(明治37)年には北海道庁地方農事試験場が設置された。以来,水田を中心とした農村として発展し,1923(大正12)年には永山農業学校(現・旭川農業高校)が開校。駅舎には農業高校生の揮毫による「永山駅」の表札が掲げられている。戦後,永山町となったあと,1961(昭和36)年に旭川市と合併した。
往時には農産物の集積駅として賑わったことだろうが,今ではその名残も薄くなり,駅周辺には中高層の共同住宅が多く建っている。1999年には上川支庁(現・上川総合振興局)が永山に移転し,かつて旭川の中では辺境の地とされた永山も,「何でもある街」と称されるまでになっている。駅の利用者も,通勤客や学生など都会的だ。
駅には運転扱いのため終日駅員がいるが,窓口,改札業務は日中のみ行う。駅の売店や,「定食・弁当・そば 食事処山の屋」は閉店した。
駅前まっすぐ300メートルほど歩いて国道39号線に出ると,永山2条19丁目バス停があり,都市間バスも停車する。旭川~永山2条19丁目間はバスの時間がかかるため,旭川~永山間でJRを利用すると所要時間が短縮される場合がある。
●見どころ
□旧永山戸長役場
駅前徒歩7分。上川盆地に1890(明治23)年に始めて永山・神居・旭川の3村が置かれ,永山戸長役場が管轄した。建物は1994年,解体材を用いて復元したもの。
□旭川デザインセンター
国道39号を旭川側へ2km。バス利用が便利,永山2条10丁目下車。もとの家具センター。家具作りは旭川を代表する地場産業。重厚なつくりが特徴だったが,近年は国際的にも評価されるデザイン性の高い製品も多い。各社の製品を常設展示している。
□男山酒造り資料館
国道39号を旭川側へ2.5km。バス利用が便利,永山2条8丁目下車。旭川に3社ある酒造メーカーの1つ。