宗谷本線
音威子府
- 所在地:中川郡音威子府村字音威子府
- 開業日:1912(大正元)年11月5日開業
- 標高:42m
- 配線:2面3線
- 路程:旭川より129.3キロ,咲来より4.6キロ
- 窓口:みどりの窓口840-1640
- 乗降客数:45人(2016-2020年),364人(1983年)
- 最終乗降日:2022.1.9乗車
●咲来→音威子府の車窓
牧草地帯を北上する。離農地も目立ち,両側を山に囲まれているせいか,鬱屈とした雰囲気だ。右にスキー場が見えてくると,まもなく音威子府市街に入り,久しぶりに人の気配がしてくる。
●音威子府駅
音威子府は名前も印象的で,宗谷本線を象徴する駅といってよいだろう。かつて夜行列車が通っていたころは,朝の出番を待っている車両と,オレンジ色のホーム灯が印象的だった。
音威子府まで来るとかなり北まで来たという感じがするが,まだ旭川と稚内のほぼ中間である。北への旅路は長い。
駅舎は1990年築の山小屋風の建物。内部にはJRと天北線代替バスを運行する宗谷バスの窓口,天北線資料室がある。
黒い蕎麦が有名だった立ち食いそばは,店主の逝去により2021年2月で閉店した。閉店後しばらくは待合室には花が飾られ,その後も思い出をつづるノートが置かれている。
音威子府村は1916(大正5)年に中川村から分村し,当初は常盤村を名乗り,1963(昭和38)年に駅名に合わせて音威子府村と改称した。鉄道開通以来,機関車の終結する鉄道の町として発展したが,1960代から過疎化の一途をたどり,2021年時点で人口600人台と,道内で人口の最も少ない村となっている。
その中でも工芸科を有するおといねっぷ美術工芸高等学校は全国から多くの生徒を集めている。最近は新たにゲストハウスやスナックができるなど新たなも生まれつつある。
村の人口に比べて駅の利用者は多いが,これは枝幸,浜頓別方面の人たちが旭川や札幌方面に行く場合,バスや車で音威子府まで来て特急列車に乗るため。特に冬はこの地方特有のブリザードが発生するため,鉄道は今なお重要な交通手段になっている。
●見どころ
□天北線資料室
音威子府駅に併設。天北線は1989年4月廃止。かつての音威子府駅構内の模型があり,いまでは信じられない活況に驚く。自由に見学できる。
□道の駅おといねっぷ
国道を右に300m。音威子府そばを食べられる食堂がある。