宗谷本線
佐久
- 所在地:中川郡中川町字佐久
- 開業日:1922(大正11)年11月8日開業
- 標高:25m
- 配線:2線(対向式)
- 路程:旭川より153.6キロ,筬島より18.0キロ
- 窓口:無人駅
- 乗降客数:2人(2016-2020年),82人(1983年)
- 最終乗降日:2002.3.16下車
●筬島→佐久の車窓
筬島-佐久間の距離は18.0km。神路渓谷と称されるこの区間は天塩川の渓谷が素晴らしい。筬島を出るといきなり山峡となり,悠々と流れる天塩川の両側に急峻な山が迫る。冬は樹氷,初夏の新緑も良いが,秋の紅葉はとりわけ美しく,名寄~天塩中川間に天塩川紅葉ノロッコ号が運転されたこともある。ただ,右側に乗ると何も見えないので,席は左側を確保を目指したい。
途中,筬島から7.5km地点に神路駅があったが1977(昭和52)年信号場となり,1985(昭和60)年3月に廃止された。神路とは名前も印象的だが,いろいろなエピソードがあるところで,駅周辺には学校もあった。1963(昭和38)年には待望の神路大橋(つり橋)ができ,国道40号と結ばれたが,1年足らずで落橋。やっとできた橋が落ちてしまったことの絶望感と冷害により,1965(昭和40)年に全戸が離農した。現在開拓跡は森林に還っているが,河岸にここだけやや開けている平地に,廃村特有の雰囲気は感じることができる。現在この地に足をつけることはまず無理である。
●佐久駅
渓谷から抜け出し,天塩川が北に向きを変えたところにある駅。駅舎は「佐久ふるさと伝承館」という立派な建物で,林業関係の展示がある。
2000年3月までは急行が1日1本停車したが,利用者は著しく減少しており,JRが駅の廃止を提案するまでになった。2021年以降中川町が維持管理をすることを条件に駅が残されている。列車のダイヤの関係で,旅行者の訪問が難しい駅になっているが,平日のみ天塩中川駅との間にバスが運行されている。
周辺には赤レンガの農業倉庫や板張りの貫禄ある建物が多く残り,この街にも栄えた時代があったことを偲ばせる。
●見どころ
□中川町エコミュージアムセンター「エコールなかがわ」
旧佐久中学校を活用した自然誌博物館。化石の展示など。駅から約1.3km。平日は天塩中川駅からの住民バスも立ち寄る。